スタッフ教育の時、特に職人の現場ではいわゆるティーチングが行われていますよね。
最初からコーチングっていうことはないですよね。 使うべき知識があってこそ、仕事をさばく力を創って新しい可能性が開くのです。 私がコンサルティングをするときも、まずはティーチングをして、ある程度知識が整ってきたら、コーチングに切り替えるようにしています。必要と思われる新しい情報提供時は、随時ティーチングを行います。 ところで、 たいていの場合、部下の教育で仕事が出来るまでに上司がすることは、次の4段階と言われている。 1.教える 2.チェックを入れる 3.報告を受ける 4.手放す このどの段階でも、教育者に必要な技術がある。それは「聴く」技術です。 たとえば、1.の「教える」でわからないとき、「どうしてわからないんだ」とそれを責めたり、他の代案を言ってみたりしても、わからない理由を聞かないことには、実は解決できないケースが多い。そして「わからない理由」を伝えた時に、上司が聴いてくれなければ、部下は「この人に質問してもだめだ」と思うと、それ以降心を閉ざしてしまうので、ティーチングの効率が下がることになってしまう。真剣に、「どこがわからないか」を聴いて、「なぜわからないか」ではなく、「どうしたら理解できるか、出来るようになるか」を質問してみると良い。 2.のチェックを入れる時でも、どんなふうに仕事をしたか、「どこがわからなかったか」、「うまくいかなかった理由」を評価を入れずにただ聴くことが出来ると、新人も安心して話しやすい。 3.報告を聴く場合も、報告の内容が上司の想い通りにならないことがあるかもしれない。そしてその時に評価をして「これってこうしたほうがいいじゃない。どうしてそうしなかったの?」というやり取りになりがちだが、ここをただ聴いて聴いて聴ききってから、質問をしてみるのも一つの機能する方法です。 また、うまくいかなかったケースについて、「あなたが○○だったからうまくいかなかったんだよ」などと勝手に決めつけられるのも、良くないパターンです。さらに、「それで、これからどうするの?」と続いた場合は、本人は前向きに考えるどころか、自分を責めるしか選択肢がなくなってしまう。(表面で前向きそうにしていても、心の中で自分を責めていることが多く、トラウマになります) まずは、本人の報告を最後まで、だまって聴くように心がけてみることをお勧めします!! 4.ここまで進むと、教育者のほうも聴くことが出来ている状態になるでしょう。もちろん、責任は上司も持つ、それが上司の仕事です。 ここまでの話をまとめますと、ようは、仕事をする過程で、「ハートが開いているか」ということになるのです。 この「聴く」ということが機能している職場だと、人は自発的に仕事に取り組もうとするし、自分のやっていることからの学びをニュートラルに受け取りやすいのです。だから、人がのびのびと育つのです。 このことをお伝えするのは、これを知っていると知らない職場で、教育の効果に大きな差が出てしまっているからです。そして、取り入れられていない職場も大変多いのです。 上の教育の技術は、そのままクライアント教育にも言えることだと思いますが、いかがでしょう? このテーマは2008年ICCVM(世界獣医コミュニケーション会議)で大きく取り上げられたテーマの1つでした。「傾聴」の技術こそ、現場で大切だと。 「聴く」技術。 皆様の職場は、いかがですか?
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Author福井利恵 Archives
3月 2022
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