日本人は、遠慮がするのが正しいという固定観念を持っている方が多い。 これは、ご近所づきあいなどにはお互いにそれでつかず離れず、うまくいく部分もあっても良いともいうかもしれませんが、真剣な仕事となると、別です。 先日、人工透析に通う友人から聞いた話ですが、胸が痛いと人工透析の専門医に相談すると、「そんなのは、他の医者にみてもらって下さい。」と言われ、他の専門医に診てもらって、オペまでしてもらって、また血圧の調整の話で悩んでいる話をすると、「透析で病院に通っているから、そこの先生が診てくれるから、大丈夫でしょ」と言われたらしい。 そして、低血圧になって倒れそうになるまで、透析の先生はあまりきちんと診ようとしてくれなかったそうで。。。「あ~~、俺はどうしたら良いのですか?」とたらいまわし状態。 ここまでくると、患者が自分で他の医者を探すか、という感じになるのですが、それも「透析の医師はどこも技術屋のようなところがあるから、どこも似たようなものかも」と言って あきらめてしまっているようです。 この両者を埋める方が必要だな、と思いました。それには、だれかこの両者をつなぐ専門のパーソナルドクターがいても良いし、この両者がお互いの一線を越えないまでも、彼専門のチームとして動いてほしい。それこそが、一番パワフルなんですよね。 そして、どんなに仕組化を意図して作られたコミュニティでも、この隙間を埋める意識がなければ、うまくいかないんですよね。 専門と、専門のあいだ。 縦割構造の日本社会を反映しています。 そして今の時代、ここを埋める、何かが欲しいところですね。
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行動すれば→結果が出る。まあ、これは当たり前なんですよ。そして、行動すれば、結果が起こるなということには嘘もなにもないんです。 ただ、行動するにも、どうにも望む結果が出ないときに、何があるのか。それは、多くの場合、自動車でいうと「アクセル」と「ブレーキ」を一緒に踏んでいる状況があります。 だから、この「ブレーキ」を外してあげれば良いのですが、いかんせん私たち子供のころから「評価」教育で「ブレーキ」を踏む癖を刷り込まれているもので、なかなか進もうとしない。この傾向は、年齢を重ねれば重ねるほど顕著になってきます。この状態を「保守的」とも呼びます。 ところで、このブレーキを外したら、どうなると思いますか? ・・・進むだけです。 この後は、ブレーキを外した人だけが知っている世界が始まるのです。 その世界では、「結果のセルフイメージ」が行動と結果をパワフルにつなげていきます。 体験談として、昔、お世話になった養豚農場でのストーリーをご紹介します。 これは、私がコーチングの勉強を始めた2006年、農場HACCPの指導で農場にお邪魔してスタッフのお話しを聴く機会があり、初めてコーチングを導入して傾聴をすることを始めた時のお話です。 「放牧養豚がやりたい」 右の写真は豚の分娩舎のしきりを取る試みを思い切ってしてみた一人のスタッフの英断の写真です。彼は放牧養豚がやりたくて、それをウインドウレス豚舎で具現化できないかと 自分で研究を重ねていました。「自分が将来やりたいのは、放牧養豚。でも、完璧にウインドウレス豚舎で、オールイン・オールアウトを徹底している農場でそれが可能なのか?」と、彼は悩んでいるのを打ち明けてくれました。ここで多くの獣医師は、反対するのか、「うーん、難しいんじゃないかなあ」というのがが普通だと思います。理由は、聞かないでください。そして、私はそうしませんでした。ただ、ひたすら聴いて、「へ~~~、そうなんだ。放牧養豚がやりたいんだ~~~、いいよね、放牧養豚。(だって本当に楽しそうに話すから)・・・じゃあ、やりたいんだったら、聞いてみたらいいんじゃない。社長に。」とはいったのを覚えています。(ブレーキはほかにも沢山ありましたが、徐々に外れていきました。本人が色々と行動を重ねていったからです) この「放牧養豚」プロジェクトが始まった時には、周囲の誰もが賛成していなかった、というかイメージ出来ない状態です。そして彼はある日、27室並ぶ分娩舎の仕切りを、全部取り払ったのです。(この当時分娩舎の仕切りを取って、離乳後の子豚にかかるストレスを少なくするという試みは流行したのですが、27部屋一緒にするというのは防疫上危険と考えるのが普通でした。今でもおそらくこれはチャレンジの部類です。) この後、この農場では、50頭ずつのロットで入っていた離乳舎のしきりも取ってしまって、1棟分、10部屋、つまり500頭の放牧状態になりました。 最初のうちは、心の広い社長さんも「病気大丈夫なの?」と心配していましたが、この後何が起こったかというと、子豚がみんな微笑んだのです。(月刊ピッグジャーナルの2010年1月号の表紙になっています) この農場にはもうお邪魔していないのですが、当時この写真を見て、社長が「ねえ、この豚笑ってるよねえ」と私に教えてくれました。豚が笑う。そんな感動を養豚場にもたらしてくれたのです。 もうひとつの願い・・・ 「病気から快復した豚を育ちが遅いからという理由で殺したくない」 それから、この農場では、虚弱で育ちが悪い子豚を淘汰せず、豚舎と豚舎の間の空き地に(小屋付)放牧することになりました。。。 この農場はSPF農場で、本来なら外に病気を持っているかもしれない豚が存在して良いわけがありませんが、なんと、社長がOKを出したのです。(養豚の獣医師としての視点でも、ある意味考えられない社長判断ですよ。)もちろん、「病気を出さない」という約束つきでしたが。別に問題は起きませんでしたし、休み時間にスタッフは、そこの豚が敷地内で好き勝手に遊んでいるのを眺めて癒されていました。時間はかかったようですが、ほとんどの豚が出荷されていきました。 「外で豚を飼いたい」というのも、私もタイミング良くお話しを聴かせていただいておりましたが、その時に、本人が「社長がだめといっても、でも、あきらめない。なんとか別の方法を考える」と言っていたので、また聴いて、「あ~、やるのね。うん、やっちゃってください」と言っただけでした。 最初に「自分は放牧養豚をやりたい」、と本人から聞いてから、3年くらいでその場に「放牧養豚」が実現していました!!素晴らしい。他にも、必然と偶然が交差する現象は沢山起きていたようですが、ここでは省略させていただきます。 イメージをしっかり持って、行動をすると、結果につながります。これは、一見無理と思えることこそチャレンジしてみると、不思議な起こり方を体験することが出来るものです。 この時に、行動する人が誰かにそのことを話してイメージをより明確に脳にインプットしていく過程があるのですが、ここにコーチングのセンスがある人に聴いてもらうと、大変パワフルです。日常会話と全く次元の違う前進が起こりますので、コーチング体験をお勧めしています。 それにしても、この話懐かしいです。 この農場と豚さんたちには、沢山の感動をいただき、 本当に今でも感謝をしています。 もう行かなくなって何年も経過しています。 命を更に大切にする農場になっていることを願います^^ 幸せの形は、人によって違いますよね。
では、動物にとって何が幸せなのでしょうか?これは、動物種に、そして個々によって全く同じものは何ひとつありません。 飼い主の幸せ、動物の幸せ、私たちの幸せ。それぞれが違う。違うのが当たり前ですよね。 価値観が違う同士が集まれば、思い通りにいかないこともあるだろうし、そしてまたそれが学びにもなります。 飼い主だけでなく、動物そのものの声を聞いて動物の幸せを考えるのも獣医師の仕事です。というか、むしろ、飼い主と動物の仲介役、それが日常である筈です。 ここで必要なWin-Winのセンスは、Win-winでなく、Win-Win-Winを考えることになります。 獣医師はコーチングといっても、少し高度ですね。 |
Author福井利恵 Archives
3月 2022
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